家の骨組みがあらかたできあがると、最後に、屋根の上の一番高いところに棟木を上げる、上棟式という儀式を行う。大工にとって無事に上棟式を迎えるということは、予定どおりに構造ができあがり、家に目鼻がついたということ。苦労が報われる、晴れの日でもある。骨組みができた家の中に祭壇を設け、大地の神や家の棟を司る神に、これまでの工事の無事を感謝し、今後も順調に工事が進められることを関係者一同で祈る。私の育った長野県では、上棟式といえば、近所の人たちが集まり、屋根の上から餅や5円玉などの入ったおひねりが撒かれた。
[参考]
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子供の頃は、それが楽しみで、上棟式があると聞けば駆け付けたものだった。だから、本当のことを言うと、私も我が家の屋根にあがり、下を見たときに、上棟式で、この屋根の上から餅でもパーツと撒いたら、さぞ気持ちがいいだろうと思った。昔はそこに、職人だけでなく、施主にとっても晴れの舞台があったのだろう。だが、都心では、上棟式だといって駆け付ける子供などいないし、いても、5円や10円のお金では、わざわざ拾おうともしないだろう。餅など撒いて、衛生面の問題が出ても困る。近所迷惑になるかもしれない。いろいろ考えると、やめておいたほうが無難だという結論に達した。