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情報技術の進歩は稟議方式

稟議方式は、関係者のあいたで書類を回し、関係者が合意したことを上司に知らせ、上司はそれに従って意思決定するというやり方です。したがって、ボトムアップ(下から上に上げる)方式とも呼ばれ、トップダウン(まず最上層部が意思決定して、それを下に下ろす)方式と対比されます。関係者全員の合意による意思決定ですから、たがいのコミュニケーションは良くなるけれども、責任の所在があいまいになるとも言えます。第4の全体としての集団主義は、個々の決定主体の責任がぼけて共同責任体制になるということと関連しています。会社を一家になぞらえる家族主義とか、企業共同体とか、さまざまに表現されています。日本の文化的特性によるものとする見方も、終身雇用制だったから運命共同休意識が強かったにすぎないとする見方もあります。終身雇用は崩れ、激しい技術変化の下で年功序列処遇も崩れ、情報技術の進歩は稟議方式にも変化を生みつつあります。

産業優先から、生活優先へ

産業優先から、生活優先へ。効率より公正を。高成長より環境保全。集団主義から個人尊重。地球と人間の時代のキーワードや、「生活大国5か年計画」の目標はそれぞれもっともなものばかりです。環境の破壊など成長のコストを差し引いた経済指標「グリーンGNP」をつくるのも、結構なことに違いありません。ゴミを減らし、ガラス容器やあき缶を回収して再利用することも必要です。スポーツやレジャー施設も、もっと整備しなければなりません。青写真ができたら、次の課題は実行することです。これまで、政府は何回となく長期経済計画をつくってきましたが、その多くは役所の作文に終わりました。政治家も役所も、都合のいいところだけはつまみ食いして予算獲得の道具に使い、むずかしい問題は先送りする傾向がありました。こんどの長期計画にも、行政の改革が盛り込んでありますが、総論だけで、各論にはまったく触れていません。「生活大国」造りを作文に終わらせないためには、役所が率先垂範で大胆な行革に取り組むことが肝要でしょう。

人跡未踏の地として多くの探検者や航海者を魅了

南極は18世紀ごろから、人跡未踏の地として多くの探検者や航海者を魅了してきた。土地の形状がある程度わかってくると、やがて鯨やアザラシなどを捕獲する経済活動の場となり、東西冷戦期にはアメリカとソ連が南極に政治的、経済的関心を見せたため、緊張が高まった。そこで1959年、南極条約が採択された。参加したのは日本、アメリカ、イギリス、フランスやソ連などの12か国。その骨子には、各国は領土権の主張を凍結する、科学的調査の自由と国際協力の促進、軍事的利用の禁止、生物や環境の保護などが盛りこまれた。2008年現在、南極条約の締約国は40数か国にまで達している。しかし現在、激化する資源争いのなかで、南極条約の理念を覆すような動きが出てきているのだ。戦いをなくして和平を結ぼうという人間の知恵を、いま一度呼び覚ます必要に迫られている。


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