「危機意識があれば、必死に、懸命になって、ありとあらゆる努力を惜しまなくなるのです」「ABC改革を推進せよ」という文字が額に入れられて、社内に掲示してある。ABCとは、オール・ベター・チェンジ。本部主導から店舗主導へと転換するさいの、抜本的な経営改革の基本方針で、危機意識をベースにユニクロが全社をあげて取り組んでいるもの。「「つくったものをいかに売り切るか」から「売れるものをいかに早くつくるか」への転換」(01.1.17)が狙いである。店舗中心の企業構造にするために、売り場(店長)発で商品から販売行動、売り場、プロモーションまでを革新するもので、「顧客中心に各店舗がそれぞれ商売する」ことを目標にする。だから、すべてをよりよく変革しなければならない、というわけである。しかし、ABC改革はいまだ緒についたばかり。その後の業績が好調すぎて、逆にABC改革の阻害要因になっているらしい。「今の状態を自分たちの力だとか、改革の成果だと社員が思うのがいちばんコワイ」(『ユニクロ&しまむら完全解剖』)それと同時に、在庫最少管理単位(SKU=ストックキーピングユニット)の管理のフォローもはじめ、店舗発注の試みも一部の店舗を対象にスタートさせている。在庫最少管理単位とは、色、サイズ別に商品の生産、販売動向を管理することだ。それまでは、品番ごとに色、サイズの割合を固定したセット納品が主体だった。たとえば丸首セーターに赤、白、黒の3色、S、M、Lの3サイズがあったとすると、初めから赤のSはどれだけ、白のMはこれだけときまっていたため、仮に黒のLが品切れになっても、ほかの色、サイズが余っていると、黒のLは店舗に入らなかった。単品管理ならば、品切れした黒のLだけを適時に補充できる。